2025年7月24日
救急専門医からのワンポイントアドバイス
梅雨が終わる頃、今後は熱中症のシーズンとなります。気温と湿度が急激に上がる時期こそ最も注意しなければなりません。まずは体温調節のメカニズムからご説明しましょう。
輻射
体温調節の6割はこれにかかります。風通しの生地の服、薄着で効果が高まります。
蒸発
発汗し、蒸発することで体温が下がりますが、湿度が高い、汗を出にくくする薬剤、皮膚疾患、マスクなどはこの効果を大きく下げます。湿度が「熱中症」の大敵である理由はこれです。
伝導
冷たいものも必ず携帯しましょう。首や脇など大きな血管が通る場所はこの「伝導」の効果が最大限発揮されます。
対流
周りの空気が循環していると、温度交換もよりスムーズに行えます。クーラー・扇風機などで非常に涼しくなるのもこのためです。
4つのメカニズムを有効活用することが、熱中症予防に効果的です。
何℃から危険なのか?
温度には通常普段使う「乾球温度」と「暑さ指数(Wet Bulb Global Temperature: WBGT)」があります。「乾球温度」の31℃と「暑さ指数」28℃が危険なラインです。
「暑さ指数:WBGT」について
熱中症は気温以外にも「湿度」「遮蔽空間:対流が起こらない」もリスクとなります。その要素も取り入れた温度が「暑さ指数」となります。
熱中症のリスクの高い人、リスクを上げる薬剤とは?
熱中症の重症度について
熱中症の予防について
水を大量に飲む場合は、「血がうすく」なります。血管内に有効な血液量を保つためには適切な塩分や糖分も補充が必要となります。
いざ、熱中症となってしまったら!!!
病院へ行くことも大切なのですが、熱中症は病院に行っても死に至る恐ろしい疾患です。現場で適切に対応することで命を救えます。